国際社会・政治

イラン大統領がサウジでイスラム諸国の首脳らと会談/イラン外務省報道官「イスラム諸国首脳会議の決議は強く断固としたもの」

出典:Pars Today|2023年11月12日

イランのライ―スィー大統領は、サウジアラビアの首都リヤドで行われたイスラム協力機構とアラブ連盟の合同臨時首脳会議の傍らで、エジプト、シリア、レバノン、モーリタニア、スーダン、マレーシア、ナイジェリア、カタール、サウジアラビアといった一部参加国の首脳と会談しました。

ライ―スィー大統領は11日土曜、この会議の傍らでサウジのムハンマド皇太子と会談しました。

サウジアラビア駐在のイランのエナーヤティー大使によれば、ライ―スィー大統領は会談の中でムハンマド皇太子をイランへ招待したということです。

イランのライ―スィー大統領とエジプトのシシ大統領

ライ―スィー大統領は、エジプトのシシ大統領とも会談し、「世界からの支援物資がガザに搬入されるよう、(パレスチナ・ガザとエジプトの国境にある)ラファ検問所が開放されることを皆が期待している」と述べました。

続けて、「米国とシオニスト政権イスラエルがラファ検問所を開放をせずガザへの支援提供を阻んでいることは、誰の目にも明らかであり、このような障壁は取り払われなければならない」としました。

そして、「(先日エジプトで開催された、ガザ地区をめぐる国際会議の)カイロ平和サミットは前向きな取り組みだったが、(出席した)西側諸国のために共同声明発表には至らなかった。同サミットは、シオニスト政権イスラエルの行うガザの無辜の女性や子どもの虐殺という犯罪を終わらせる転換点となりうるものだった。しかし、シオニスト政権を支持する西側諸国は、(それ以前に開かれた)国連安保会やその他の国際機関での会合でこの犯罪を阻む効果的な措置の実施を認めなかったのと同様に、同サミットが結果を出すことを妨げた」と指摘しました。

イランのライ―スィー大統領とシリアのアサド大統領

ライ―スィー大統領はまた、シリアのアサド大統領との会談においても、ガザをめぐる3つの要求として、住宅地への爆撃の即時停止、封鎖の解除、住民への支援拡大を挙げました。

イランのライ―スィー大統領とレバノンのナジブ・ミカティ首相

同大統領はさらに、レバノンのナジブ・ミカティ首相との会談で、同国とパレスチナが抵抗のシンボルであるとしながら、敵たるシオニスト政権に対する妥協や後退は受け入れられないと強調しました。

その上で、「抵抗勢力がイランの指揮下にあると騒ぎ立てる者もいるが、我々はこのような主張は繰り返し否定している。抵抗勢力は、独立した判断、決定、行動を行っている」と述べました。

イランのライ―スィー大統領とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相

一方、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相との会談では、「シオニスト政権は、人道に対する犯罪や大量虐殺に関する自身の記録を更新している。この行為は国際法廷で裁かれる以前に、すべての良心を持つ人々によって非難されている」と指摘しました。

アンワル・イブラヒム首相もこの会談で、「シオニスト政権を支持する国々は、同政権への支援をやめるべきである」と強調しました。

イラン外務省報道官、「イスラム諸国首脳会議の決議は強く断固としたもの」

出典:Pars Today|2023年11月13日

イラン外務省のキャンアーニー報道官

イラン外務省のキャンアーニー報道官が、サウジアラビアの首都リヤドで行われたOICイスラム協力機構とアラブ連盟の合同臨時首脳会議について、「イランの提案はこの会議で採択された最終決議に盛り込まれており、その表現や論調は断固たる強いものとなった」と述べました。

キャンアーニー報道官は、合同臨時首脳会議で採択された最終決議に関する質問を受け、「話し合いの中でイラン側が出した提案は、最終決議の中に文書として盛り込まれた。決議文の表現や論調は、強く断固たるものとなった」と答えました。

リヤドでは11日土曜、ガザをはじめとしたとパレスチナの現状を調査するため、OICとアラブ連盟の合同臨時首脳会議が開催され、その終わりには、ガザでシオニスト政権イスラエルがパレスチナ人に対し犯罪を続けていることを非難し、さらに同地区の封鎖解除とアラブ・イスラム諸国や国際団体から人道援助を送る必要性を強調した声明が発表されました。

キャンアーニー報道官は、この合同会議の最終決議の条項を取り上げながら、「すべての諸国の政府に対して対イスラエル武器輸出停止が要請されたほか、紛争停止に関する国連安全保障理事会決議の即時採択、病院破壊の阻止、ガザへの医薬品・食料・燃料搬入の障害排除、同地域の封鎖解除およびアラブ・イスラム諸国および国際団体からの人道支援物資輸送団の入域などが、最終声明には盛り込まれた」と説明しました。

パレスチナ抵抗勢力は先月7日、占領政権イスラエルの拠点に向けガザ地区から攻撃を行う「アクサーの嵐」作戦を開始しました。これに対しイスラエルは、アメリカおよび大半の西側諸国の支援を受けながら、自身の敗北挽回と報復、そして抵抗勢力の作戦を止めるため、ガザ地区の医療施設や住宅街への爆撃を始めました。

パレスチナではこれまでに、イスラエルによるこのような犯罪行為によって1万1000人以上の人々が殉教しています。

ガザ地区では現在も、イスラエル政権による爆撃および、パレスチナ人女性や子どもたちの殺害が続けられていますが、その一方で、同政権を支持する西側諸国は、国連安保理の停戦決議案には拒否権を発動した上、パレスチナ人殺害や爆撃を止める努力をする代わりに、イスラエルをさらに支援する決議案を採択させようと試みています。

(転載終了)

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