金融・経済

「本当に金はあるのか?」トランプ大統領、アメリカの金庫フォートノックスに自ら確認しに行くと発表

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出典:Yahoo|2025/02/20

トランプ政権の政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスクが、政府の金(ゴールド)の備蓄に関する古くからの陰謀論を持ち出して、ケンタッキー州フォートノックスにある財務省の金の保管庫の調査を求めている。

マスクは、2月15日以降の複数のX(旧ツイッター)の投稿で、フォートノックスの保管庫に対する疑問を発信し、「金はまだあるのか?」「もうなくなったのか?」と問いかけたほか、現地の監査の模様をライブ動画で配信することを要求した。

共和党のランド・ポール上院議員は、フォートノックスに対する毎年の監査を求めるマスクの投稿に「ぜひやろう」と反応した。

マスクの「金が消えた」という主張を裏づける証拠はなく、フォートノックスの金の保管庫は厳重に管理されている。

米国造幣局によると、ケンタッキー州フォートノックスの保管庫には、財務省の総供給量の約59%に相当する1億4730万トロイオンスの金が保管されている。18日の時点で、金の価格は1トロイオンスあたり約2930ドル(約44万3000円)とされており、フォートノックスにある金の価値は4350億ドル(約65兆8000億円)に達している。これは、ヨーロッパで最も価値のある上場企業であるティファニーやルイ・ヴィトンの親会社LVMHの市場価値を上回るものだ。

しかし、政府はこれらの金を、政府が定めた1トロイオンスあたり42.22ドル(約6380円)という帳簿価額に基づいて、わずか総額60億ドル(約9070億円)と評価している。

フォートノックスでの金の保管庫は、外部に対してこれまで3回しか開放されていない。この金庫は、1943年にルーズベルト元大統領によって監査され、1974年には10人の議員が訪問していた。また、2017年には、共和党の当時の上院院内総務のミッチ・マコーネルやスティーブン・ムニューシン元財務長官らが訪問していた。

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フォートノックスでの金の保管庫は、政府の金塊を一元管理し安全に保管する必要性から1930年代に建設された。ケンタッキー州が選ばれた理由は、当時の欧州が戦争の危機に瀕する中で、米国の東海岸の既存の保管施設が外国からの攻撃に対して脆弱だと懸念されたためだった。この施設には、1941年から1944年にかけて、合衆国憲法や独立宣言が一時的に保管されていた。

米政府の金に対する関心が再び高まっている背景には、金の価格の上昇が挙げられる。金価格は過去12カ月で40%以上も上昇し、年初来でも10%上昇しており、主要な米国株指数を上回るパフォーマンスを見せている。この上昇は、安全資産としての金への関心の高まりに後押しされている。

2017年にフォートノックスを訪問した当時のケンタッキー州知事マット・ベビンは、「ここは異常なまでに厳重に守られている」と語り、「金は安全に保管されている」と付け加えていた。

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