国際社会・政治

「ロシアは法の支配を蹂躙している」岸田首相、国連総会の演説で名指し非難

出典:読売新聞|2023/09/20

「ロシアは法の支配を蹂躙している」
…岸田首相、国連総会の演説で名指し非難

岸田首相は19日夜(日本時間20日午前)、国連総会で一般討論演説を行った。ウクライナ侵略を続けるロシアについて、「国際法、法の支配を 蹂躙じゅうりん している」と名指しで非難し、「力や威圧による一方的な現状変更は認められない」と強調した。

首相は「人間の尊厳が守られる世界」を目指すため、国連改革の必要性を指摘。国連安全保障理事会が常任理事国のロシアや中国による拒否権行使で機能不全に陥っていることを踏まえ、拒否権の行使を抑制する重要性を訴えた。常任・非常任理事国の拡大も提案した。

ロシアに対しては、主権と領土の尊重をうたった国連憲章に違反しているとの認識を改めて示し、「人権侵害の状況を一刻も早く是正し、核の威嚇を止めるべきだ」と述べた。

 ロシアによるウクライナ侵略の影響を受け、「グローバル・サウス」と呼ばれる新興・途上国が食料危機に直面していることを念頭に、「アフリカ・中東を始め、 脆弱ぜいじゃく な人々への支援が不可欠だ」とし、各国の協調を呼びかけた。

 核軍縮を巡っては、「『核兵器のない世界』に向けて、先人の努力により主流化した核軍縮の流れを確実に進めていくことが必要だ」と主張。核軍縮の機運を高めるため、海外の調査研究機関向けに30億円を拠出することを表明した。「核兵器国を具体的な核軍縮措置に巻き込むことが重要だ」とも語り、「核兵器国と非核兵器国」による議論を促進させる考えを示した。