健康・食・医療国際社会・政治

【WCH】WHOが改定しようとしている「国際保健規則/IHR(2005)・パンデミック条約」その懸念事項

出典:World Council For Health Japan
WHOのIHRの書き換えとパンデミック条約の内容 プレゼン資料ver1.3

World Council For Health Japan

目次:

■P2、2024年5月 第77回 国世界保健総会(WHO加盟国の会議)

 タイムライン  
2024年5月第77回国世界保健総会にて、地球社会がこれからどのような方向に進むのかについて、とても重要な決議が行なわれます。

  • 1) 国際保健規則IHR(2005)改訂(WHO憲章第21条に基づく)
    • 2023年現在、草案+交渉中→単純多数で可決
    • 12ヶ月後に発効(2025年5月)あるいは10か月以内に拒否(脱退)
  • 2) パンデミック条約CA+(WHO憲章第19/22条に基づく)
    • 2023年現在、草案+交渉中→2/3多数で可決
    • →18ヶ月以内に各国で批准、すなわち2025年11月まで 

国際保健規則(IHR)について

■P3、国際保健規則IHR(2005) の書き換えが今進められています

厚生労働省のHPから:
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001075053.pdf

国際保健規則(IHR)部分改定の作業進捗

1、背景

  • 2022年1月にIHR(2005)を部分改定することに加盟国は合意。
  • 2022年9月までに参加国から300を超える改定案が提出され、IHR検証委員会が改正案の検証結果を1月に報告した。
  • 2023年3月現在、加盟国は委員会の提言を踏まえたうえで改正案について議論を行っている。
  • 2024年5月のWHO総会で改正案が採択される予定
  • 同じく2024年5月に採択される予定のパンデミックに関する法的文書(通称「パンデミック条約」)では、IHRの範囲外にあるパンデミック対応に関する課題が取り扱われる。

2、改正案について

・改定案は以下の通り分類可能:

・範囲、目的および原則・緊急委員会の招集と機能
・管轄機関・渡航対策
・通報、検証、情報共有・協働と連携
・リスク評価(PHEIC及び中間レベルの警戒の決定)・コンプライアンスの向上
・公衆衛生対応と暫定的勧告・基本的能力

■P4、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)とは

今までの(国際保健規則)IHR2005での定義

概要

  • 「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」とは、国際保健規則(IHR)に基づく、次のような事態。
    • (1)疾病の国際的拡大により、他国に公衆衛生上の危険をもたらすと認められる事態
    • (2)緊急に国際的対策の順調が必要な事態
  • WHO事務局長は、当該事象が発生している国と協議の上、緊急委員会の助言等を踏まえ、PHEICを構成するか否かを認定し、保健上の措置に関する勧告を行う。
  • 勧告には、当該緊急事態が発生した国又は他国が疾病の国際的拡大を防止又は削減し、国際交通に対する不要な阻害を回復するために人、手荷物、貨物、コンテナ、輸送機関、物品及び/又は郵便小包に関して実施する保健上の措置(例:出入国制限、健康監視、検疫、隔離等)を含めることができる。ただし、拘束力はなく、また勧告に従わない場合の規程等もない

 国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)に至った事例 

  • 2009年4月-2010年8月 豚インフルエンザA(H1N1)
  • 2014年5月-現在 野生型ポリオウイルスの国際的拡大
  • 2014年8月-2016年3月 西アフリカでのエボラ出血熱の拡大
  • 2016年2月-11月 ジカウイルス感染症に関連する小頭症と神経障害の多発
  • 2018年10月-2020年6月 コンゴ民生共和国でのエボラ出血熱
  • 2020年1月-現在 新型コロナウイルス感染症
  • 2022年7月-現在 サル痘ウイルスの国際的拡大

 潜在的PHEICの構成要素 

  • 原因を問わず、国際的な公衆衛生上の緊急事態を構成するおそれのあるすべての事象:
    • 1)重大な健康被害を起こすリスクのある事象
    • 2)予測不可能、または、非典型的な事象
  • 国際的に拡大するリスクのある事象
  • 国際間交通や流通を制限するリスクのある事象
  • 上記4つのうち、いずれか2つに事象が該当するかという質問に「はい」と答えた参加国は、潜在的な国際的に懸念される公住衛生上の緊急事態PHETCとして、国際保健規則第6条に基づき、WHOに通報しなければならない

■P5、厚生労働省が言う「国際保健規則/IHR 部分改正」の内容とは?

  • 大前提としてここではっきりさせておく必要があるのは、
    • WHOは民主的に選ばれた機関ではない、また、厳密には国連機関でもない
    • その予算の大半は民間からの献金(医療・製薬業界、民間の巨大基金など)
  • ・IHR国際保健規則の「部分改正」は、300以上の変更箇所と大量な書き足し、および6つの新規条項と新規付属書を含むもので、むしろ「書き換え」と呼んだ方がより妥当
  • 原文は、
  • ・上記のように、幾つかのバージョンが発表されいるが、決議にかけられる最終バージョンは2024年初頭に発表予定。表現(文言)の細部は現在調整中で、新しいバージョンの方が加筆が多い。

■P6-P8、国際保健規則/IHR(2005)の現時点での書き換え内容の問題点

  • 勧告から義務への変更』: WHOの全体的な性格を、単に勧告を行うだけの諮問機関から、法的拘束力を持つ統治機関に変更する。(第1条および第42条)
  • WHOの事務局長が独断で決められる、実際の緊急事態(PHEIC)ばかりではなく、潜在的な緊急事態も対象とする』: 緊急事態(PHEIC)の適用範囲を大幅に拡大し、単に公衆衛生に影響を及ぼす可能性のある潜在的なケースのシナリオも対象となる。(第2条、第12条)
  • 尊厳、人権、自由の無視』: 条文中の「人々の尊厳、人権、基本的自由の尊重」を削除。(第3条)
  • 保健製品の割当を行なう』: WHOが「保健製品の割当計画」を通じて各国の産業の生産手段の管理に介入し、先進締約国にパンデミック対応製品をWHOの指示通りに供給するように求める。緊急事態には、知財(特許)所有者に対してその権利の放棄も部分的に要求(第13条A)
  • 強制医療』: WHOに、健康診断、予防薬の証明、ワクチンの証明、接触者追跡、検疫、治療を義務づける権限を与える。(第18条)
  • グローバルヘルス証明書』: 検査証明書、ワクチン証明書、予防接種証明書、回復証明書、旅客所在確認書、旅行者の健康宣言書を含む、デジタル形式または紙形式のグローバル健康証明書システムを導入する。(第18条、第23条、第24条、第27条、第28条、第31条、第35条、第36条、第44条、付属書第6条、第8条)。
  • 主権の喪失』: 健康対策に関して主権国家が下した決定を覆す権限を緊急委員会に与え、緊急委員会の決定を最終決定とする。(第43条)
  • 不特定の、潜在的に莫大な財政的コスト』: 何十億ドルという指定のないお金を、説明責任のない製薬・大病院・緊急事態産業の複合体に割り当てる。(第44条A)
  • 検閲』:WHOが語法や偽情報とみなすものを検閲する能力を大幅に拡大する(付属書1、バージョンによって36ページ又は40ページ)
  • 協力義務』: 改訂IHRの発効時点で、その取り決め内容の実施のために、特に先進国から発展途上国に向けての、インフラの構築、提供、維持の協力義務を設ける。(第13条)

要約は、原文とJames Roguski氏の要約を参考にした
https://worldcouncilforhealth.org/the-great-freeset/

  P9、結 論 (問題点まとめ) 

  • PHEIC宣言(*パンデミック宣言)とともに、基本的人権を設定している各国の憲法が覆えされる
  • WHO緊急委員会の決定が最も権威のある最終決定になり、事実上主権国家が主権をWHOに預けることになる
  • さらに第4条では、締約国の国内IHR担当窓口、およびIHRの内容の全体的な実施に関して責任を持つ国内管轄当局の設立と、その機能を遂行するための権限と資源を提供するための法律を制定または修正する義務がある、としている。日本政府は、新規IHR可決前からその準備に入っているようにも見える(例えば、憲法の緊急事態条項、日本版CDCの設立)
  • この構造には、チェック・アンド・バランス機能が欠如している

「パンデミック条約」CA+

パンデミック予防・備え・対応に関するWHOの条約・合意またはその他の取決め

■P10-P14、「パンデミック条約」CA+の現時点での内容

P10

  • 「パンデミック条約」CA+は、IHR国際保健規則(2005年版)の改訂と相互に補いあうような構造になっている。IHR国際保健規則(2005年版)の改訂案と内容的に重なっているところも多く、両方が可決されなくても、片方だけで目的を達成できるように構成されている
  • 現在、INB (Intergovernmental Negotiating Body=各国政府による常任準備委員会事務局) によって目下作成中および交渉中の最初の草案で、現在入手可能な最新バージョンは、2023年6月2日に発表:

P11

  • INB事務局の国の構成は以下の通り:ブラジル (Tovar da Silva Nunes)、エジプト(Ahmed Soliman)、日本 (Kazuho Taguchi)、オランダ (Roland Driece)、南アフリカ(Precious Matsoso)、そしてタイ (Viroj Tangcharoensathien)。INB事務局長は RolandDriece (オランダ) と Precious Matsoso (南ア)
  • 更に、WHO加盟国と、約220の「WHOが公に関係を持つ非国家団体」 が発言権のあるステータスを持っている。この「WHOが公に関係を持つ非国家団体」は、WHOが公に認めた団体で、その出版物やウェブサイト上ではステークホルダー(Stakeholder=株主)という総称で言及される。
  • これらは、メインストリームの医学関係および保健関係団体、製薬業界団体、および巨大な資本を後ろに控えた特殊利害グループ例:Bill & Melinda GatesFoundation、Rotary International、Rockefeller Foundation、WellcomeTrust、等々)によって構成されている
  • 内容的には、 冒頭の第3条で基本的人権と国家主権の尊重を謳いあげているが、その後に続く内容がそれを否定しているため、矛盾をきたしている

P12

  • WHOの主導・調整機関としての中心的役割の強化 (CA+ 第3条)
  • WHOの感染拡大地域への迅速なアクセスの促進。特に、発生した問題に関する現地での対応を評価し、サポートするための専門家チームを送り込む (CA+ 第15条)
  • パンデミック防御のための戦略的な製品の在庫備蓄の拡大およびその維持 (CA+ 第7条)
  • パンデミック製品(特に医薬品有効成分)の持続的生産のために必要な素材の備蓄の準備(CA+ 第13条)
  • 製薬会社に対してその医薬製品の開発、生産、生産容量拡大、流通および在庫に関して可能な限りインセンティブ(奨励金)を提供する(CA+ 第3、9、12条)
  • プライベートセクター(例:製薬会社)およびNGO(例:各種財団)との様々な形態での協力関係を結ぶ(CA+ 第6、11、16、19条)

P13

  • ワクチン被害者への補償は一定期間にのみ限定(CA+ 第10条)
  • WHO事務局長は、自らの権限に基づき、関連政府の同意を得ることなく、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を宣言することができる(CA+ 第15条)
  • インフォデミック」に対して、ソーシャルメディアなどの各種情報伝達チャンネルを通して管理し、虚偽の情報に対抗する(CA+ 第18条)
  • CA+ よって初めて国際基準として採用される「ワンヘルス・アプローチ」によって、上記のすべての方針と措置は、家畜、野生動物、植物界、気象を含めた環境関連事象にも適用される。すなわち、家畜に対しての強制的なmRNAワクチン接種か殺処分の二者択一が迫られ、締結国家は、ほとんどの伝染病が動物界から人間に伝染するものである、ということを決まり事として公に認めることを要求される(CA+ 第4、5条)

P14

  • 機能獲得実験に関しては、その危険性からくる安全規制が緩められ、安全措置は各研究主体の良心に任される(CA+ 第9条)
  • この条約はパンデミックの最中とその間(パンデミックとパンデミックの間、つまり平常な状態)に有効で、健康と自由に関する人権が狭めらる(CA+ 第2条)

備考:

この条約を見ると、パンデミックを防ぎたいのかパンデミックを作りたいのかが分からなくる。
また、「パンデミック間」(”inter-pandemic”)という概念が新たに導入された。通常から、パンデミック準備と対応能力(“pandemic preparedness and response capacities”)を強めるという理由で、「パンデミック」という名の「仮想敵・脅威」に対してかりたてている。

機能獲得実験に関しては、名目上は病原体に関する理解を深めるため、ということだが、生物兵器開発の研究に機能獲得実験が行なわれていることに関する言及はない。さらに、事務局長が独断でパンデミックを宣言できるだけではなく、パンデミック宣言を行なうハードルを極めて簡単にしようとしている痕跡がある。

その一つとして、ワンヘルスアプローチがある。

■P15、ワンヘルスという概念(パンデミック宣言を行なうハードルを下げうるもの)

人間の健康と動物の健康、および環境が密接に関連し合っているという、最近導入された概念。

動物界の病原体と人間界の病原体が互いに境界線を超えて感染するということが可能になる(→機能獲得)。

すなわち、動物界の伝染病と環境の異常(例えば異常気象)が、潜在的に人間界のパンデミックの原因になり得る、というモデル。

■P16-19、結論 - 市民の立場から

市民からの質問事項:

1緊急事態(PHEIC)の宣言によって緊急使用認可(EUA=Emergency UseAuthorization)された医薬品に関しての効果と安全性をどのように保証するか、という点に関する議論がなぜ無いのか?
2
インフォームド・コンセントと安全で効果的な医薬品にアクセスする権利(例えばイベルメクチン)も含めた健康全般に関する権利、本人の承諾なく医学的実験を行うことを禁止する基本的な人権に関しては、なぜ削除される方向にあるのか?
3その関連で、人権および医薬品の安全性とその効果を確保するために、長い年月をかけて作られてきた医薬品規制がこのコロナ渦でことごとく無視された(ワクチンの安全性など)ことに関しては、どのようにご説明いただけるのだろうか?
4国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)の宣言が簡単にできることに対して、その終了に関する基準が無いのはなぜか?
5デジタル(ワクチン)証明導入による移動規制およびトラッキングによる基本的人権の侵害を一般的に導入が必要になるような、危険性を正当化するための基準はどこにあるのか?PHEICの宣言がますます簡単になって行く中、状況に適した措置が重要。
6WHOとそのパブリック・プライベート・パートナー(製薬会社、巨大基金など)の製品保証(賠償責任)に関する点が抜け落ちている。選択の自由の無い医療体制は医療独裁に繋がるが、その点どのようにお考えか?
7WHOの「インフォデミック」対策による言論の自由に対する衝撃と科学的議論の廃止、といったWHOの見解だけが正しいとすることによる深刻な影響は人類を暗黒の中世の時代に引き戻すように見えるが、いかがお考えか?
8WHOは、一定のグループの企業だけが恩恵を被るシステムを創ろうとしているように見えるが、その点に関しては、どのような理由が正統性を与えているのか?そのような企業から多額の献金を受けているWHOは、利益相反の問題をどう説明しているのだろうか?
9WHOを中心としたパブリック・プライベート・パートナーシップは、不当な取引連合体(カルテル)と化していないだろうか?

終りに

以上、一般市民として考え得る質問を上げてみました。上記の情報を拡散し、このような疑問点を核にしながら、なるべく広い市民の連合体と世論を作ることが、唯一我々に残された活路なのかもしれません。しかし、我々市民が、ファクターXとして、人類の進路に関して決定的な影響力を持ちうることも可能でしょう。

出典:World Council For Health Japan

関連解説ビデオ

https://hontougaitiban.site/2023/09/04/wchworld-council-for-health
https://hontougaitiban.site/2022/10/01/who