J アラート発令:北朝鮮が「軍事偵察衛星」発射 軌道投入は確認されず
出典:2023年11月21日|日本経済新聞
日本政府は21日夜、北朝鮮が同日午後10時43分ごろ、北西部の東倉里(トンチャンリ)から弾道ミサイル技術を使った発射を強行したと発表した。北朝鮮が主張する「軍事偵察衛星」とみられる。防衛省によると周回軌道への投入は確認されていない。
北朝鮮の朝鮮中央通信は22日未明、北朝鮮の国家航空宇宙技術総局が21日夜に軍事偵察衛星を打ち上げ、成功したと伝えた。衛星を地球の周回軌道に「正確に進入させた」と主張した。
北朝鮮が22日午前0時から12月1日午前0時の間に「人工衛星」を発射すると通告していた。
政府は21日午後10時46分に全国瞬時警報システム(Jアラート)を発令した。「北朝鮮からミサイルが発射されたとみられる」として沖縄県に避難を呼びかけた。その後に「ミサイルは10時55分ごろ、太平洋へ通過したとみられる」と通知し呼びかけを解除した。
岸田文雄首相は同日深夜、首相官邸で記者団に「少なくとも1発は沖縄上空を太平洋へ通過した。被害は確認していない」と述べた。宮沢博行防衛副大臣は22日未明、防衛省で記者団に「地球の周回軌道への衛星の投入は確認されていない」と明らかにした。