2009年4月 国連人種差別防止会議演説「イラン大統領が真実を語る時」
この出典は、ジュネーブで開催された国連の人種差別撤廃会議におけるイラン大統領の演説と、それに対する国際社会の反応を記録したものです。演説の中で大統領は、国連安保理の特権や欧米の覇権主義を激しく批判し、これらが現代における人種差別や不平等の根源であると主張しています。特にイスラエルの建国やパレスチナ占領、さらにイラクやアフガニスタンへの軍事介入を痛烈に非難しているのが特徴です。こうした過激な発言を受けて、フランスを含む欧州各国の代表団が抗議のために議場を退席する様子も描写されています。全体として、西洋主導の国際秩序に対する強い不信感と、経済危機や紛争の責任を問う政治的な主張が色濃く反映された内容となっています。
イラン大統領が批判する国連《安全保障理事会》の構造
イラン大統領(演説当時のマフムード・アフマディーネジャード氏)は、国連、特に安全保障理事会の構造における不平等性を強く批判しています。
大統領が指摘する不平等な構造の主なポイントは以下の通りです。
- 拒否権(Veto)の不当性: 大統領は、安全保障理事会における「拒否権」の論理に疑問を呈しています。この権限が、正義や法の前の平等、あるいは人間としての尊厳といった価値観のどれに合致しているのかと問い、それが「正義の欠如」や「傲慢さ」に基づいたものであると批判しています。
- 戦勝国による支配: 第二次世界大戦の勝者が自らを「世界の勝者」と見なし、他国を「敗北者」として扱うことで、他者の権利を無視した抑圧的な法律や手法を導入したと主張しています。
- 「正義」ではなく「力」に基づく法: 大統領によれば、現在の国連の仕組みは正義ではなく「力」に基づいており、一部の国が自国の利益のみを優先して世界全体の決定を下す権利を握っていると述べています。このような「二元論」的な構造が続く限り、真の平和や正義は達成できないと強調しています。
このように、彼は国連の現状を、一部の強大国が他国を支配し、人間的価値を蹂躙するための道具になっていると批判しています。
パレスチナ問題についての言及
アフマディーネジャード大統領は、演説の中でパレスチナ問題について、第二次世界大戦後の国際秩序の歪みが生んだ「人種差別と占領」の象徴として非常に厳しく言及しています。
主な言及内容は以下の通りです。
- 国家樹立の経緯への批判: 大統領は、第二次世界大戦後に「ユダヤ人の苦しみ」や「ホロコースト」を口実として、ヨーロッパや他の国々から人々を移住させ、パレスチナの地に強引に政府を樹立したと主張しています。彼はこれを、他者の領土を占拠する「抑圧的な手法」の一環であると述べています。
- ガザ地区での軍事行動: 現在の状況についても触れ、ガザ地区で「爆撃や犯罪」が行われていると断じ、それに対して国際社会が沈黙を守っていることを批判しています。
- 「エルサレム占領政権」の保護: イラクやアフガニスタンへの軍事介入は、この「エルサレム占領政権(イスラエル)」を保護し、対抗する力を持つ地域諸国の能力を破壊するために、一部の勢力が計画したものだと主張しています。
- 人種差別との関連: 彼は、パレスチナにおける占領や人種隔離的な政策こそが、現代における人種差別や異文化排斥の最たる例であると位置づけています。
なお、映像の中には、大統領が演説の中でパレスチナの占領やホロコーストの話題に触れ始めた際、フランスを含む欧州各国の代表団が抗議のために一斉に退席するという事態が写されています。
イラクやアフガニスタンへの軍事介入と人種差別の関係
アフマディーネジャード大統領は、イラクやアフガニスタンへの軍事介入と人種差別の関係について、それらが同じ**「権力欲」と「傲慢さ(arrogance)」という共通の根源から生じている**と主張しています。
演説の中で指摘されている主なポイントは以下の通りです。
- 人種差別の根源としての傲慢さ: 大統領は、人種差別、排外主義(ゼノフォビア)、不公正、そして他国の占領は、すべて「権力の追求」と「傲慢さ」に基づいていると述べています。彼は、自国の利益のために他国の決定権を握ろうとする姿勢そのものが、人種差別的な論理と共通していると考えています。
- 特定の勢力の利益と軍事介入: イラクやアフガニスタンへの攻撃は、武器製造で利益を得る勢力を支援し、文明を破壊するために計画されたものだと主張しています。
- 「占領政権」の保護: 特にイラクへの軍事介入については、パレスチナを占領している「エルサレム占領政権(イスラエル)」を保護し、その政権に抵抗する能力を持つ地域諸国の力を削ぐために、政府内の特定の勢力によって計画されたものであると述べています。
- 独立の侵害: 大統領は、イラクやアフガニスタンの占領が「排外主義や人種差別」に端を発しているのではないか、そしてそれらが諸国民の「独立」を求めているのではない(むしろ侵害している)のではないかと問いかけています。
このように、大統領はこれらの軍事介入を単なる政治的・軍事的な行動としてではなく、特定の国や勢力が他者を見下し、支配しようとする「人種差別的・排外的」な思考の延長線上にあるものとして批判しています。
出典:https://hontougaitiban.seesaa.net/article/201409article_80.html

