米軍がイランの主要核施設3か所を軍事攻撃、「壮大な軍事的成功」とトランプ氏
2025年6月21日午後10時(米国時間)にホワイトハウスで開催されたトランプ大統領による緊急声明(ノーカット)
「壮大な軍事的成功」とトランプ氏、米軍がイランの核施設攻撃
出典:BBC
ドナルド・トランプ米大統領は21日夜(日本時間22日午前)、アメリカ軍がイラン国内3カ所の核施設を空爆したと発表した。
攻撃の対象となったのはフォルド、ナタンズ、イスファハンの核施設。米国防総省幹部は、大型貫通爆弾(MOP)「GBU-57」を使用したと認めた。
ホワイトハウスでのテレビ演説でトランプ氏は、「イランの主要な核濃縮施設は、完全かつ徹底的に抹消された」と述べた。
また、今回の爆撃を「壮大な軍事的成功」と表現した。
トランプ氏は、今回の攻撃の目的は「世界最大のテロ支援国家がもたらす核の脅威を阻止することだった」と述べ、「中東で周囲を威圧するイランは今や、和平を受け入れなくてはならない」と強調した。
現地では、イスラエルとイランの戦闘が10日目に突入している。
2025年6月21日|Middle East Eye
イスラエルによるイラン爆撃を許可することで、トランプはテヘランに核開発を迫っている
ネタニヤフとトランプの一方的な攻撃が成功すれば、イランができるだけ早く実用的な核兵器を手に入れるための最大の動機となるだろう。

スラエルによるイラン攻撃を認めるというドナルド・トランプ米大統領の決定は 、ジョージ・W・ブッシュ大統領のイラク侵攻以来、米大統領が犯した最悪の誤算だ。
ブッシュ大統領の決定はイラクにおける8年間の紛争の始まりとなり、ランセット誌によれば少なくとも65万5千人が死亡し、イスラム国グループ内に過激派タクフィリ派戦闘員集団が誕生し、大国が崩壊の危機に瀕し、14年経った今でもそこから立ち直れていない。
トランプ大統領の決断は、さらに悲惨なものとなる可能性がある。
米国の特使がテヘランと交渉中だったにもかかわらず、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がイランを攻撃することを許可したことで、米国大統領の信頼性はアル・カポネやホアキン・「エル・チャポ」・グスマンと同レベルになった。
これは、世界大国ではなく麻薬カルテルの責任者である場合の振る舞い方です。
一体誰がアメリカの言葉を信じるだろうか? 遅かれ早かれ、衰退しつつあるアメリカのような大国は、他国からの信頼を必要とするだろう。
いつものことだが、トランプとその取り巻きたちは、自分たちが今何をしたのか全く分かっていない。彼らは、イランの外交官を騙しながら、イスラエル軍に数百発のヘルファイアミサイルを急派し、リアルタイムの情報を提供したことを嘲笑しながら、今まさに実行した欺瞞行為に満足げだ。
イスラエルの無人機は、標的の自宅のベッドで捕獲したり、本部に誘い込んで壊滅させたりした。これはテルアビブとワシントンではクーデターとみなされている。マルコ・ルビオ米国務長官は、ワシントンがイスラエルに「精巧な情報」を提供したと述べた。
トランプ氏は、イランの欺瞞行為を自慢した後、イランに対し、交渉のテーブルに戻らなければさらにひどい目に遭うと説教した。「イランは何も残らないうちに合意を成立させ、かつてイラン帝国と呼ばれていた国を救わなければならない。もう死も破壊もない。手遅れになる前に、とにかく行動を起こすのだ。神のご加護がありますように!」とトランプ氏はトゥルース・ソーシャルに投稿した。
これは、数千年の歴史を持つ9200万人の国民に対して米国大統領が言うことのできる最も愚かな言葉だ。
昨日はサダム、今日はネタニヤフ
イランが西側諸国の支援を受けたイラクの故サダム・フセイン大統領の攻撃に8年間さらされた苦難を考えれば、これはさらに愚かなことだ。
イランの外交政策を形作ってきたのは、イスラム共和国のイデオロギーと同じく、この苦い経験である。イランの核濃縮計画とロケット兵器は、イラン・イラク戦争の戦火の中で磨かれた。
ネタニヤフ首相同様、イラクの独裁者も隣国が最も脆弱な状態にあると判断した時に戦争を開始した。
1980年9月22日、当時のイラン最高指導者、アヤトラ・ルーホッラー・ホメイニは、 革命後の混乱に未だ苦しんでいた。彼は軍隊を持たず、その多くはシャーの失脚とともに解散した。(全文はこちらで)
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https://www.middleeasteye.net/news/exclusive-us-quietly-sent-hundreds-hellfire-missiles-israel-iran-attack