WHO、「パンデミック条約」を採択
WHO、「パンデミック条約」を採択 コロナの教訓生かす
△スイス・ジュネーブで開催された世界保健機関(WHO)の年次総会でスクリーンに映し出されたデトロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長(2025年5月19日撮影)。(c)Fabrice COFFRINI/AFP
出典:AFP BB News|2025/05/20
【5月20日 AFP】世界保健機関(WHO)は20日の年次総会で、将来の保健危機に備えるための画期的な「パンデミック条約(WHOパンデミック協定)」を採択した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機に始まった協議は、3年以上にわたって続けられてきた。
この協定は、将来の感染症パンデミック(世界的大流行)に備え、国際的な監視や調整、ワクチン供給体制の強化を目的としている。また、COVID-19の際に課題となった各国の足並みの乱れや国際的な混乱の再発防止も目指す。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は声明で、「この協定は、公衆衛生、科学、そして多国間の連携における勝利だ。われわれは力を合わせることで、将来のパンデミックから世界をより強固に守ることができる」と述べた。
さらに、「これは、COVID-19で世界が被ったような損失を二度と繰り返してはならないという共通の認識でもある。私たちは市民、社会、そして経済を無防備なままにはしておけない」と強調した。
一方、アメリカはドナルド・トランプ大統領によるWHO脱退決定を受け、パンデミック条約の協議からも撤退している。正式な脱退には1年の手続き期間を要する。(c)AFP