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5月8日~10日、最大クラスの太陽フレアで地表で磁気嵐を観測

▼画像出典:宇宙天気ニュースSDO衛星のAIA193カメラによる太陽コロナの様子(c) SDO (NASA)

宇宙天気ニュース|2024/ 5/11 14:11 更新
太陽風の乱れが到来しました。磁気圏では非常に激しい乱れが発生しています。

担当 篠原

今日未明、11日1時40分(世界時10日16時40分)頃に、
ACE衛星で太陽風の急な乱れが観測されました。
速度は、450km/秒から700km/秒と高速の状態に変わり、
磁場強度は、4nTから20〜50nTに強まり、
その後、70nTまで高まっています。

8日昼のX1.0大規模フレアから始まった
CME(コロナ質量放出)による太陽風の乱れがやって来た様です。

茨城県柿岡の気象庁地磁気観測所の地上磁場観測では、
11日2時過ぎ(世界時10日17時過ぎ)に地磁気の急な強まりを観測しています。
ACE衛星の観測から20〜30分程度で地球までやって来た様です。

注目していた太陽風磁場の南北成分は、
-40nTに達する激しい南向きが発生しています。
速度の高まりもあり、磁気圏の活動はかなり激しくなっています。

AE指数のグラフは、乱れの最初に2000nTの枠を超えて、
上のグラフに重なるほどの変化になっています。
このまま大きさを読み取ると、4000nTを超えているように思います。
その後は、1000〜2000nTの間を上下していますが、
これは、磁気圏の乱れが非常に激しくなって、
活動の領域がオーロラ帯よりも低緯度側に広がり、
擾乱の規模を正しく測定できなくなっているのではないかと思います。

そして、Dst指数の速報値は、最大で -421nTまで下がっています。
(Dst指数はマイナス方向に発達します)
速報値なので、今後値が修正される可能性がありますが、
Dst指数が-400nTを超えたのは、
2003年11月20日の -422nT以来、21年ぶりです。

もし今後、今回の乱れが -423nTに達した場合は、
1989年3月14日の-589nT以来の激しい磁気嵐になります。
今後の推移に注目して下さい。

また、GOES衛星の磁場の南北成分は、
通常は北向き(プラス)になっているのですが、
太陽風の乱れが到来した頃から、
南向き(マイナス)に変化しています。
太陽風磁場が強い南向きになったことで磁気圏の磁場が剥ぎ取られ、
静止軌道が太陽風の領域に入ってしまったことを示しています。
途中から北向きに戻っているのは、衛星が夜側に回ってきたためです。

現在の太陽風は、速度は700km/秒と高速で、
磁場強度は40nTとかなり強まった状態が続いています。
南北成分は一旦北向きになっていますが、
太陽でCMEの発生が続いたため、
今後も太陽風の乱れが続きそうです。
引き続き活発な活動に注目して下さい。


太陽は、3664黒点群の活動が続いています。
昨日の午後、10日15時半(世界時10日6時半)にX3.9、
今日、11日10時(世界時11日1時)にX5.8と、
Xクラスの大規模フレアが2回発生
しています。

これらのフレアでもCMEが発生していて、
X3.9フレアによるCMEの動画を掲載します。
3664群が太陽の南西側(右下)に進んだので、
CMEも右下寄りに広がっていますが、
乱れの端の方が地球に向かっている可能性があります。

X5.8フレアのCMEについては、
SOHO衛星の画像がまだ掲載されていないので、
明日のニュースで紹介したいと思います。

今回、10年、20年に1度クラスの激しい磁気圏の乱れが発生しています。
spaceweather.comでは、
フロリダで撮影されたオーロラの写真が紹介されています。
様々な情報に注目して下さい。

出典:NHK|2024年5月11日 11時55分

「太陽フレア」で磁気嵐観測 通信衛星やGPSなどに影響のおそれ

「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の巨大な爆発現象が5月8日から10日にかけてあわせて6回発生し、電気を帯びた粒子が地球に到達して地球の磁場が乱れる「磁気嵐」の発生が、各地で観測されています。今後、数日にわたって通信衛星やGPSなどに影響が出るおそれがあり、情報通信研究機構が注意を呼びかけています。

情報通信研究機構によりますと、5月8日から10日午後4時ごろまでに「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面での爆発現象の中でも最大クラスに分類される巨大な爆発が、6回にわたって発生しました。

同じくらいの期間で6回の巨大な爆発が連続して発生したのは、2005年9月以来、18年8か月ぶりだということです。

この「太陽フレア」によって、陽子などの電気を帯びた粒子が大量に放出されていて、地球の磁場が乱れる「磁気嵐」の発生が各地で観測されています。

これまでのところ、大規模な通信障害などは確認されていないということですが、今後数日間は通信衛星などの人工衛星やGPSの位置情報、それに短波の無線通信などに影響が出るおそれがあるとしています。

情報通信研究機構宇宙環境研究室の津川卓也室長は「予想していたよりも大きな磁気嵐が観測されている。人体に影響が出るほどではないが、GPSの利用や一部の無線通信などに影響が出るおそれがあるので、引き続き、数日は注意してほしい」と話しています。

地磁気観測所で「磁気嵐」観測

「太陽フレア」の影響で、気象庁は茨城県石岡市にある地磁気観測所で、地球の磁場が乱れる「磁気嵐」が観測されたと発表しました。

「磁気嵐」は11日午前2時5分から始まり、午前9時までの地磁気の変動幅は最大で517ナノテスラに達し、通常の1日(50ナノテスラ)の10倍を上回ったということです。

石岡市の観測所で500ナノテスラを超えたのは1991年3月以来で、変動幅としては、1924年に観測を始めて以降9番目の大きさだということです。

「磁気嵐」が起きると、通信などの障害が起きるおそれがありますが、影響の程度については現時点で不明だとしています。

地磁気観測所は「久しぶりに大きな変化となった。太陽の活動が来年にかけて活発化する見通しで、今後も磁気嵐の発生が増える可能性があるため注意深く監視したい」としています。

米気象当局も警戒呼びかけ

「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の巨大な爆発現象が、ここ数日連続で起きたことを受け、アメリカの気象当局は今後、GPSや一部の無線通信などに影響が出るおそれもあるとして警戒を呼びかけています。

太陽の表面では今月8日以降、「太陽フレア」と呼ばれる巨大な爆発現象が連続で発生し、電気を帯びた粒子が大量に放出され、地球に近づいています。

到達すると、地球の磁場が変動する「磁気嵐」が起きる可能性があるとして、10日、NOAA=アメリカ海洋大気局が最新の情報を公開しました。

それによりますと、予想される磁気嵐の大きさは5段階中、上から2番目で、おおむね日本時間の11日から13日にかけて起きる可能性があるということです。

そしてGPSや一部の無線通信、それに送電設備などに影響が出るおそれもあるとして、インフラの事業者などに警戒を呼びかけています。

また、ふだんは緯度の高い地域で観測されるオーロラが、より緯度の低い地域で見られる可能性もあるということです。

太陽はおよそ11年の周期で活動が活発になったり弱まったりすることが知られ、ことしは活発な時期にあたることから、NOAAは今後も今回のような現象が起きる可能性があるとしています。