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マスク氏のxAI、マイクロソフト・ブラックロックのAI基金に参加

出典:Bloomberg|2025年3月19日

人工知能(AI)スタートアップ、オープンAI最大の支援者であるマイクロソフト。オープンAI取締役会に幹部を送り込んでいる米投資会社のブラックロック。この2社がイーロン・マスク氏と手を組むことになった。マスク氏はオープンAIの最高経営責任者(CEO)、サム・アルトマン氏にとって最大のライバルとされている。

  マイクロソフトとブラックロックは19日、データセンターなどのAIインフラを建設する300億ドル(約4兆5000億円)規模のプロジェクトに、マスク氏のAIスタートアップ、xAIが参加すると発表した。声明によれば、AI半導体のエヌビディアもこのプロジェクトに正式参加する。エヌビディアは昨年9月にこのプロジェクトが発表された当時、すでに技術アドバイザーに指定されていた。

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  オープンAIに約130億ドルを投じたマイクロソフトは、その提携外でもAI開発に力を入れるようになった。同社はオープンAIに匹敵するAIモデルを自社で開発していると、ブルームバーグが今月報じた。オープンAIの共同創業者でもあるマスク氏は、同社の営利企業シフトをめぐり公にアルトマン氏を批判している。

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  AIへの熱狂は資金需要を高め、幅広い分野の企業や投資家が大規模なデータセンターなど施設建設で手を組む動機になっている。トランプ米大統領は1月、ソフトバンクグループとオープンAIが主導する1000億ドル規模のAIインフラ事業「スターゲート」を発表した。

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  19日の発表によると、マイクロソフトが支援するグループは「AIインフラストラクチャー・パートナーシップ(AIP)」に名前を改める。米国を中心とするエネルギープロジェクトなどインフラ投資に重点を置き、ファンドの一部は提携国に投入されるという。今後新たな投資受け入れにも道を開いている。顧客には年金基金や保険会社が含まれ、こうした長期的なインフラプロジェクトが待たれていると、ブラックロックのラリー・フィンクCEOは声明文で述べた。