【“政府備蓄米”販売裏事情2】日本政府は 利権強化のためにコメの輸出量を『約8倍』にしたい…
出典:MBSニュース|2025/03/17
2025年03月14日(金)放送
政府の意図は?品薄&高騰なのに米の輸出量『約8倍』の目標 専門家「不足基調の中で輸出を増やせば国内の価格は上がるだろう」【解説】
一向に下がる気配がない米の価格。背景には「消えた米」の問題もあるとされ、政府は備蓄米の放出を決めました。そうした中、にわかに注目を集めているのが「米の輸出」。政府は米の輸出量について、2030年までに35万tと、去年の4万6000tの8倍近くの目標を新たに掲げるということです。
国内の“米不足”も指摘される中、海外に売る狙いとは?価格はどうなる?東京大学大学院の鈴木宣弘特任教授らへの取材内容を交えてお伝えします。
「2030年までに約8倍」米輸出量の目標

日本では近年、米の輸出が増加しています。輸出先としては、アメリカ、香港、シンガポール、台湾などがあります。農林水産省の資料によりますと、2024年の輸出量は約4万6000tで、2020年の倍以上となっています。政府は2030年までに35万t、つまり(2024年の)約8倍にまで輸出量を増やす目標を掲げるということです。5年に1度変更される「食料・農業・農村基本計画」が3月中に閣議決定される見通しで、ここに米の輸出増の目標が盛り込まれることになるということです。
2024年の主食用米の収穫量は679万2000t、このうち輸出量は約4万6000tで、収穫量の0.7%にあたります。年間の収穫量があまり変わらないという前提で計算すると、35万tが輸出された場合、収穫量の5.2%となります。
『海外需要の開拓』が狙い?「コストで輸出米の価格は高くなる」懸念も

なぜ政府は今、米の輸出を増やしたいのでしょうか。農水省が3月に発表した米の輸出に関する資料によりますとと、国内の米の需要は毎年約10万tずつ減少していて、新たな海外需要の開拓を図る、そういった意図があるようです。(全文を読む)
出典:農林水産省
4.コメ・コメ加工品の輸出実績について
商業用米の輸出実績
(令和7年(2025年)3月まで)

出典:新潮社 Foresight
2025年3月21日|執筆者:山下一仁氏
「コメ輸出8倍」計画のまやかし――国益を損なう農水省の「最も不健全なる思想」

政府の「コメ輸出8倍」計画には利権を守るカラクリが仕込まれている。「輸出を拡大し、いざという時には国内に回す」こと自体は合理的でも、農水省・自民党農林族・JA農協はこれを利権強化に使う。キーポイントは輸出米への補助金だ。国内主食用を高価格で維持する減反誘導を温存したまま、輸出米に転作する“片手間農家”には補助金が流れ込む。つまり食卓のコメ価格正常化には繋がらない。輸出補助金として米国などによる報復的な関税も招きかねない。そして、本当に必要な食料安全保障をさらに遠ざけるものに他ならない。
政府(農林水産省)がコメの輸出を今の8倍近い35万トンまで増やす目標を提案した。これについてマスコミの人たちから、減反を廃止して輸出を拡大するという私の提案が実現したのではないかという問い合わせがある。とんでもない誤解である。全文を読む:https://www.fsight.jp/articles/-/51267